私はこうしてハムになった(jr2mhv)
アマチュア無線という用語すら聞いたことが無かった小学校6年生のことです。自宅に近い家の竹マストに繋がれたワイヤーアンテナが気になり、開いていた家の中を覗いていた時、中から男の人が声をかけてくれたので部屋にあがりました。そこには見たことの無い無線機らしき機械が数台おいてあり実際に放送を受信しながら色々説明を受けましたが、この瞬間から海外放送に興味を持ち始め以来60年以上BCLを続けています。この時に見た受信機にはTOMというエンブレムが付いておりアメリカ製だったようです。
あとから分かったのですがトリプルスーパーでした。濃いグリーンのケースに入って顔はハマーランドに似ていました。
そんな頃、BCLの合間にアマチュア無線の周波数帯があることを知り、無免許らしき怪しげな会話を2バンドのトランジスタラジオで毎日のように聴くのが常でした。この頃はAMモードだったので比較的簡単に聞こえたしローカル局通しなので両方が聞けました。
私はアマチュア無線に免許が必要だとは知らず、誰もコールサインなどを自分から言っていることはなくマニアの集まりとしか思えなかったのです。
中学になり、この趣味熱心な集まりに出会いアマチュア無線という資格の話を聞きましたが、勉強のこともありこの趣味から離れたのでした。私は叔父の関係で写真にも興味があり、資格の必要ない写真の趣味に没頭します。当時に覚えた暗室技術もほぼマスターしたのですが、当時の小遣い銭ではとても両方の趣味を楽しむ余裕がなかったのです。
高校になり理科クラブに所属したり写真部に所属したりですが、理科クラブで見た社団局に触れたとき病気が再燃し写真のウエイトが減ったわけです。その後に就職した職場にはアマチュア無線を既に楽しんでいるOMさんが居たりCQ誌がすぐに読める環境から一気に気持ちが加速して、電話級国家試験を受験しコールサインを手にしました、その後も益々高度な技術に触れ電信級の資格を取得したのですが、年齢増加とともに仕事も忙しくなり、しばらくはモービル運用で楽しむこととなりましたが、アマチュア無線への熱意は全く衰えることなく65歳で仕事が満了になった以降72歳の現在も前にも増して楽しんでおります。
アマチュア無線の資格は無線技士であります。通信士ではないので、どちらかと言えば技術を磨きあげることが大切です。長くアマチュア無線を楽しむ人に共通することは自作派や修理屋が多いのです。アマチュア無線という趣味を通じて人生の最後まで気持ちを持ち続けることで充実を実感することとなるでしょう。
通話は楽しいことが多いのですが、いまやSNSに押されて文字ベースの通話が増えました。ダイヤルを回しても正規のアマチュア無線の会話が少なくなり寂しいことです。もちろん短波帯では黒点活動にも左右されます。
アマチュア無線を長く楽しむコツは一つのことに集中せずバランスよく色々な技術を磨くことです。気が付けば、たくさんの友人が増え合わせて技術も向上していることに気づくはずです。
アマチュア無線はバランスよく長く続けることで人生が変わります。