工作を忘れた最近のアマチュア無線

昔のことです。東京は秋葉原に信越電機商会という店があり開店を待つ人の列が長く続いていたのです。現在の秋月電子です。
新幹線の到着に合わせて午前11時開店だったわけですが近所の店は迷惑だったと思います。
この店は、当時に東工大付属高校に通う生徒さんが開業した会社で
当時まだ珍しかった日本橋「吉野家」が秋葉原店を近くに出していましたが、お客の大半が信越の客でした。秋葉原に行くと必ず吉野家にて昼食を済ませて、再び目的の部品探しに出向きます。
今みたいに通信販売(ネット購入)が発達していなかったので、これが普通だと思って高額の交通費を払っていたのです。
やがて、名古屋市の大須観音に「アメ横一号店」が進出し部品やコンピュータ関係の店が東京から押し寄せました。
最近のアマチュア無線は揃って高級リグのオンパレードです。
それもそのはず、技術が進みリグに使用されている部品の多くが一般では入手困難です。自然と無線メーカーにコントロールされて多くの人が、市販リグで通信を楽しんでいます。
元々アマチュアの多くは、新しい技術に興味があり新製品には目が離せません。それも通信をするには大切なことですが今一度アマチュア無線技士という原点に帰って工作をする時間を少しでも増やしてみてはどうでしょう。
当クラブでも機会を見つけて工作の時間を設けたいと思います。
CQ誌でも以前は「工作ハンドブック」などアマチュアの工作心をそそる本が出版されていました。写真の一冊もその仲間です。
自作品で楽しむアマチュア無線を味わうと必ず離れなくなり長続きすること間違いなしです。付加装置でも構いません。何か自作されて使ってみてはどうでしょう。
今思えば日本人もお金持ちになったものです。昔ならスクラップから部品になるものを取り出して工夫をしたものです。アイディアは工夫の中で見つかることが多いのです。
その頃の米国のリグは当時の車一台より高かったものです。
何しろ、米ドルが日本円で換算すると360円だったわけですから。若い方は知らないと思いますが、トリオの9R42Jや9R59でさえ購入できる人は羨ましかったものです。
(レポート:JR2MHVとみおかたくみ)