いせわんハムラジオとは

●アマチュア無線の魅力
アマチュア無線は世界中で親しまれている趣味ですが、とりわけ日本では爆発的な人気があった時期もありました。短波帯で頻繁に諸外国と交信が出来たり、小型無線機を使用し連絡手段に利用できることも魅力です。各国が定める国家試験を受け免許を取得した人が楽しめる特殊な趣味でもあります。その上、楽しむには高価な無線機や技術が必要だったりで、当時はお金と時間に余裕のある人の趣味であったので、欧米では「趣味の王様」と呼ばれることもありました。その後、日本では安い無線機が多く出回り、今ではこの用語を使うと笑われそうです。
またアマチュア無線はコミュニケーションの場として使われることが多くなりました。確かにアマチュア無線をやっていると友人が増えます。しかも、職種を問わず誰とでも知り合いになれ、ときには人生を通じての伴侶となることも多々あるのです。長く続けることで実感が得られ多くの人は離れられなくなるようです。特に技術面での交流には欠かせなくなると思います。

●JARLレピーターの拡がり
以前JARLは全国にアマチュア無線で使用可能な中継器の許可を政府に要望しました。そのきっかけとなったのは、当時の総理大臣であった小渕さんです。小渕さんはご自分でJE1ELKも開局されていた国会アマチュア無線クラブの代表でした。当時は米国では専用レピータがあり日本のアマチュアの多くが許可を待ち焦がれていたわけです。そんな背景から国内で沢山のレピーター局が許可となり私たちのJP2YCEも誕生しました。もともとレピーターを中心に繋がることを想定して設立したクラブですが、その後に会員数も増えて以前は178名の方々の協力を頂きました。ところが携帯電話の通信料が一気に下がり出してからはアマチュア無線の魅力が無くなったようです。しかし、レピータ局はアマチュア無線を楽しむための連絡手段でありますから本来はSSBやCWによる交信を楽しむようにしたいものです。

●少年ハムの育成
決してゲームで遊ぶことが悪いわけではありませんが、少年たちの多くはバランスを忘れて没頭してしまいます。アマチュア無線は少し技術が必要なこともありますが、多くの優秀な技術者がアマチュア無線をきっかけにして来ました。世界で初めてCPU素子で動くコンピューターを開発したのも日本のハムです。また米国のアップルコンピュータ社を創設したのもアマチュア無線家でした。みんな少年時代のアマチュア無線が浸み込んだ人たちです。
そんなことから、当クラブでも時間を掛けて技術少年の育成に取り組んでいます。科学少年では無く技術少年を育成します。これからの日本にはゲーム少年では無く技術少年が必要なのは言うまでもありません。

●社会貢献できる
総務省の考え方がここになり大きく変わりました。大きな災害など頻繁に起こる異常現象に政府機関のみならず一般の人たちを巻き込んだ支援体質と変化しています。アマチュア無線は以前から大火災や大地震などで連絡要員や情報の提供などとして活躍してきた実績があります。このことは今後もますます必要となり、令和3年の3月にはアマチュア無線の利用範囲を大きく見直しました。積極的な社会貢献には欠かせない存在になりつつあり免許取得者も徐々に増えつつあります。

●アマチュア無線技術の伝承
アマチュア無線は多くの先人が培いながら現在の技術を確立してきました。今では日本のアマチュア無線も米国やヨーロッパに肩を並べるほどになりました。その技術のベースとなるものは伝承にあります。新しい技術は古い技術を応用して進化させることで生み出されます。CW(電信)から始まったアマチュア無線ではありますが今や宇宙技術を応用したFT8通信やD-STAR通信など数え切れません。

●各種技術セミナーを開講
アマチュア無線の世界では、自分の持っている技術を他人に教えることで広まります。例えば、ある分野では技術を持つ人が講師となり、また時には生徒となり学びます。こんな繰り返しで連鎖的に技術を習得してきました。いつも新しいことへの挑戦がアマチュア無線の基本です。これは、JARLが制定している「アマチュアコード」にも記載があります。
当クラブでも、状況を踏まえながらレベルアップセミナーを開催します。特にCW(モールス)通信はアマチュア無線技術の基本ですから真っ先に取り組むセミナーと位置付けています。幸いと、当クラブには1アマや2アマ、またプロの免許を取得されている登録会員が多く居られます。他人に教えることは、それ自体がその人の勉強にもなります。みんなで助け合いながら技術を磨くようにすれば、最小の努力で新しいことが身につきます。このセミナーを目一杯活用して下さい。

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